オンラインゲームの世界では、わずかな遅延も致命的な影響を及ぼす可能性があります。
そこで、多くのゲーマーがゲーミングルーターの導入を検討していますが、『本当にゲーミングルーターは意味があるのか?』という疑問を持つ方も少なくありません。
ただ設置すればいいというわけではなく、高速通信を可能にする回線やプロバイダの選択、利用目的に合った設定方法などは必要です。
本記事では、ゲーミングルーターがオンラインゲームにおいてどのように機能し、遅延を減少させるのかを解説します。
- ゲーミングルーターのQoSやMU-MIMOなど、ゲームプレイを快適にするための重要な機能
- ゲーミングルーターの選び方
- オンラインゲームにおすすめのゲーミングルーター
ゲーム専用ルーターの機能とは?

オンラインゲームを楽しむ皆さん、ゲーム中のラグは致命的ですよね。
特に対戦型ゲームでは、一瞬の遅延が勝敗を分けることも。ここで登場するのが『ゲーミングルーター』です。
「ゲーミングルーターって普通のルーターと何が違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
ゲーミングルーターと普通のルーターとの違いは?
ゲーミングルーターと普通のルーターの違いは、主にオンラインゲームをする際のパフォーマンス向上に特化している点にあります。
普通のルーターはインターネットへの接続を提供する基本的な機能を持っていますが、ゲーミングルーターはそれに加えて、ゲームプレイ中の遅延を減少させる技術が搭載されています。
ゲーミングルーターの特徴的な機能
- QoS(Quality of Service)
-
オンラインゲームのデータパケットを優先的に処理し、他の活動(ビデオストリーミングやダウンロードなど)がネットワークを使用していても、ゲームの通信品質を維持します。
- MU-MIMO(Multi-User, Multiple-Input, Multiple-Output)
-
複数のデバイスが同時に接続しても、それぞれのデバイスへ効率的にデータを送信できるため、ゲームプレイがスムーズに行えます。
低遅延とQoS技術の役割
ゲーミングルーターの大きな特徴は、何と言っても『低遅延』を実現する技術にあります。
オンラインゲームでは、データの送受信がリアルタイムに近い形で行われるため、少しでも遅延が生じるとゲームプレイに大きな影響が出ます。ゲーミングルーターは、この遅延を最小限に抑えるために設計されているのです。
また、『QoS設定』も重要なポイント。
これは、ネットワーク上でのデータの優先順位を設定できる技術で、ゲームデータを優先的に扱うことで、他のデータ通信の影響を受けにくくします。たとえば、家族がビデオストリーミングや大量のダウンロードをしていても、ゲームプレイの品質を保つことができるんですよ。

MU-MIMOとは?複数デバイスの同時接続をスムーズに
更に、複数のデバイスが同時にネットワークを使用する家庭では、MU-MIMO技術が役立ちます。
これにより、複数のデバイスが同時に高速でデータをやり取りできるため、ゲームプレイ中でも他のデバイスの影響を受けにくくなるんです。
無線LAN技術の一種で、ルーターが複数のデバイスに同時にデータを送信できる技術です。
例えば、家族がそれぞれスマートフォン、タブレット、PCでインターネットを使っている場合でも、MU-MIMO対応のルーターであれば、それぞれのデバイスに同時に高速でデータを送ることができ、インターネットの速度が遅くなることが少なくなります。この技術により、多くのデバイスがネットワークに接続されている家庭やオフィスでも、スムーズなインターネット接続を実現できるのです。
ゲーミングルーター効果とユーザーの声

ゲーミングルーターの機能について理解を深めたところで、「でも、実際にゲームプレイにどれほどの効果があるの?」と思われる方もいることでしょう。
オンラインゲームでは、操作が即座に反映されなければ、敵に攻撃されたり、重要なチャンスを逃したりする可能性があります。ゲーミングルーターは、その遅延を軽減するために特化された設計がされており、多くのユーザーからは「明らかに反応速度が向上した」との声が寄せられています。
『X』で見つけたゲーミングルーターに関するポスト
次に、QoS機能の効果ですが、これによりゲームデータの優先処理が可能になるため、他の家庭内のデバイス使用が影響を及ぼしにくくなります。たとえば、ご家族が動画視聴や大量のデータダウンロードを行っていても、ゲームプレイには影響が少なくなるのです。これは、特に多くのデバイスが同時にインターネットを利用する家庭にとって、大きなメリットと言えるでしょう。
『X』で見つけたQoS設定に関するポスト
しかし、実際の効果は使用環境やネットワークの状況、さらにはゲームの種類によっても異なります。そのため、ゲーミングルーターを導入する際には、自身の使用環境をしっかりと把握し、適切な設定を行うことが重要です。
「ゲーミングルーターは意味ない」ユーザーの声

先ほど紹介したように『ゲーミングルーター』や『QoS設定』でオンライン体験が改善されたという声は多く見られます。
では、なぜ「ゲーミングルーターは意味ない」という声も多くみられるのか?
それは、ただ単にゲーミングルーターを使えばいいという話ではないからです。
誤解を生む一般的な誤信
まず、『ゲーミングルーターは意味がない』と考える背景には、基本的なネットワークの知識の欠如があることが多いです。
ゲーミングルーターは、ただ速いインターネット速度を提供するだけでなく、遅延の軽減やデータパケットの優先処理など、オンラインゲームプレイを最適化するための多くの機能を備えています。これらの機能は、ゲームプレイ中のパフォーマンス向上に役立ちます。
効果を感じられないユーザーの事例分析
ゲーミングルーターを導入しても、期待した効果が得られないと感じるユーザーもいます。
これは、設定が適切でなかったり、使用環境がゲーミングルーターの性能を十分に引き出せていないことが原因であることが多いです。
ゲーミングルーター導入前に回線状況をチェックしよう
ユーザーの声を参考にすると、ゲーミングルーター導入前に自宅の回線状況をチェックするのが先決だとわかります。
契約ている回線の速度や帯域などをチェックしたうえで、ゲーミングルーター導入を検討する方が効果が期待できそうですね。
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ゲーミングルーターの選び方

ゲーミング環境を最適化するためにゲーミングルーターを導入しようと考えたとき、どのモデルを選べばいいのか迷う方も多いでしょう。
ゲーミングルーターを選ぶ際の最も重要なポイントは、以下の5つです。
自宅のインターネット環境に適したスペックを持つモデルを選ぶことです。インターネットの契約速度や、使用するデバイスの数、家の構造などに合わせて、適切な無線規格や対応周波数帯を持つルーターを選ぶ必要があります。
マルチコア以上のCPU
快適なオンラインプレイに欠かせないのが『低遅延』
それには、ルーターの処理能力が大きく影響します。その処理はCPUのコア部分で行われるため、1つのCPUの中に複数のコア(マルチコア)が入っている方がより快適なオンラインプレイを体験できます。
遅延の少ないオンラインプレイを望むなら、デュアルコア(2コア)以上のルーターを選びましょう。
通信速度と規格
Wi-Fiを使ったオンラインプレイなら、電波の届く範囲内でどこでも遊べます。そのためには『通信速度』と『規格』が重要です。

Wi-Fiの最新規格『Wi-Fi6』なら有線接続に匹敵する速さともいわれています。遅延やラグが解消され、大容量のダウンロード時間も短縮されます。
ゲーミングLANの有無

トライバンドに対応しているか?
Wi-Fiの周波数には、『2.4GHz』と『5GHz』の2種類があります。ゲーミングルーターは、対応する周波数帯によって『デュアルバンド』『トライバンド』に分類されます。
- デュアルバンド:2.4GHzと5GHzの合計2つの周波数帯に対応したゲーミングルーター
- トライバンド:2.4GHzと5GHz(W52・W53)、5GHz(W56)の合計3つの周波数帯に対応したゲーミングルーター

トライバンドの特徴は、周波数帯の切り替えができること。利用環境に適した周波数を選ぶことで快適にインターネットを利用できます。
接続範囲
ゲーミングルーターには、電波を飛ばせる範囲があります。ルーターとデバイスとの距離が遠い場合や、家のさまざまな部屋で利用したい場合は、接続範囲の広いモデルを選びましょう。
また周波数によって特徴があるので、離れた部屋で利用する場合は注意が必要
- 2.4GHz:障害物に強く、遠くまで広がりやすいが、通信速度は遅い
- 5GHz:通信速度は速いが、障害物に弱いため遠い場所では届きにくい
おすすめのゲーミングルーター3選

ここでは、先ほど紹介した5つのポイントをもとにおすすめのゲーミングルーターを3つ紹介します。
![]() Archer AX80 | ![]() エレコム WRC-XE5400GS-G | ![]() NEC Aterm WX7800T8 | |
---|---|---|---|
CPU | 4コア | 2コア | 2コア |
最大速度 | 4804Mbps | 2402Mbps | 4804Mbps |
Wi-Fi規格 | Wi-Fi6 | Wi-Fi6E | Wi-Fi6E |
周波数帯 | デュアルバンド | トライバンド | トライバンド |
おすすめの 利用環境 | 戸建て:3階 マンション:4LDK | 戸建て:3階 マンション:4LDK | 戸建て:3階 マンション:4LDK |
価格 | ¥12,833(税込) | ¥12,980(税込) | ¥20,730(税込) |
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Archer|AX80

- 最大6.0Gbpsの高速通信
- 家中につながりやすく広範囲をカバーできる
- OFDMAとMU-MIMOによって複数のデバイスへ同時にデータを送ることができる
- 『TP-LINK HomeShield』セキュリティサービスが標準装備
- アプリで簡単に『QoS設定』ができる
エレコム|WRC-XE5400GS-G

- Wi-Fi6E対応で高速通信
- OFDMAとMU-MIMOによって複数のデバイスへ同時にデータを送ることができる
- セキュリティWi-Fi搭載
- アプリでかんたん回線設定
- らくらく引っ越し機能
- 子供のインターネット使いすぎ防止機能つき

NEC|Aterm WX7800T8

- Wi-Fi6E対応で高速通信
- トライバンドで複数機器を同時につなげても快適
- QoS設定で、ゲームやストリーミングも安定
- 独自技術『ハイパワーシステム』で広範囲まで電波が届く
- ボタン一つで設定の引継ぎが簡単。引っ越し時に便利
まとめ|ゲーミングルーターの将来性と進化

近年のゲーミングルーターのトレンドとしては、Wi-Fi 6対応のモデルが注目されています。
Wi-Fi 6は、従来のWi-Fi規格に比べて通信速度が向上し、同時に多数のデバイスを接続しても安定した通信が可能です。特に、多くのデバイスを使用する家庭や、将来的にネットワーク環境をアップグレードしたい場合におすすめです。
さらに、ゲーミングルーターの選び方だけでなく、設定のポイントにも注意が必要です。ゲーミングルーターの効果を最大限に引き出すためには、適切な設定が不可欠です。
例えば、ゲーム用のデバイスに高い優先順位を設定したり、不要な通信をブロックすることで、ゲームプレイ中の遅延をさらに軽減することが可能です。
最後に、ゲーミングルーターの選び方と最新トレンドを押さえることで、より快適なゲーミング環境を実現することができます。自分のゲームプレイスタイルや家庭の環境に合ったゲーミングルーターを選び、最適な設定を行うことで、ゲームの世界を存分に楽しみましょう!
Archer AX80 | エレコム WRC-XE5400GS-G | NEC Aterm WX7800T8 | |
---|---|---|---|
CPU | 4コア | 2コア | 2コア |
最大速度 | 4804Mbps | 2402Mbps | 4804Mbps |
Wi-Fi規格 | Wi-Fi6 | Wi-Fi6E | Wi-Fi6E |
周波数帯 | デュアルバンド | トライバンド | トライバンド |
おすすめの 利用環境 | 戸建て:3階 マンション:4LDK | 戸建て:3階 マンション:4LDK | 戸建て:3階 マンション:4LDK |
価格 | ¥12,833(税込) | ¥12,980(税込) | ¥20,730(税込) |
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